ハルに風邪ひいた

駆け出し宇宙工学者が気が向いたときに書く方のブログ

のっぺらぼうさん、読んでよ

プロフィール写真を登録していない人がこわい。正確には、プロフィール写真を登録していない時に出てくる、のっぺらぼうみたいな丸い頭の人がこわい。 のっぺらぼうは、何を考えているか分からない。 「久保さん、こちらの講習会の受講期限が過ぎております…

わー

わー

灰、そのきめ細やかさ

うたた寝から醒めると、世界はうらがえっていた。 そう、その日は生まれて初めて線香を人から頂いたのだった、ので、ライターを買いに行くことにした。ファミリーマートにした。多分電池とかが売っているコーナーとか、普段の買い物では立ち寄らない場所に置…

T☆A☆N☆K☆A☆2

8個だけ短歌を作った。 ただ、それだけです。 ************************ レムの間のあなたがやさしいやわ肌のオートミールを噛みしめてゆく 立ち漕ぎのウーバーイーツの加速度がウーバーイーツに運ばれてゆく うん、ほんとありがとね、またLINEする、4.2秒、…

T☆A☆N☆K☆A

久しぶりに、最近作った短歌をちょっとだけ並べてみる。 ただそれだけの回です。 ************************ ゴミを出すこともマスクをすることも忘れて花を踏みつけること しあわせはいじわるだからスシローの待合席が殺意で満ちる 日には日に水には水に庭に…

リヴリーは死んだ。僕は生きている。

小学四年生の僕は、大人のイケない世界に足を踏み入れようとしていた。オンラインゲームを始めたのである。 『リヴリーアイランド』というそのゲームは、当時ゲームボーイアドバンスに大脳皮質の全てを支配されていた僕にとってはあまりに革新的だった。ゲー…

連載開始のおしらせ

東京大学のオンラインメディアUmeeTにて、連載を始めることになりました。前回の記事を読んでくれたUmeeT初代編集長の杉山大樹さんのお声がけで実現した企画です。気が向いた時に気が向いたことを書く超個人的なブログながら、自分以外の人間に良い時間を与…

それでも、まるい地球を選びたい

今年の正月休みは、実家の布団でフルタイムを過ごすはめになった。インフル・ザ・フィーバーである。 年末にかけての追い込みの半徹夜が響いたのだろう、帰省初日から順調に体調は悪化していき、いよいよ大晦日の朝にピーク。40度の熱、ほぼ幻覚のような夢、…

塩と涕と歳と汐

幼い頃、僕は泣き虫だった。 幼稚園の音読発表会で、本のページがうまくめくれなくて泣いた。担任の先生が慌てて飛んでくる光景と、母親が客席で赤面している光景は覚えているが、その後泣いている理由をどう先生に説明したのかは思い出せない。いや、さっさ…

世界、穴だらけ

救急車を初めて見た時のことをよく覚えている。 そのとき僕は父の運転する車の後部座席に乗っていた。サイレンの音が遠くから近づいてくると、その音波の振幅に比例して交差点に緊張感が高まり始めた。緊張感は空気を揺らがせる。その揺らぎが歩行者たちの足…

道徳が揺さぶればこんにちは

19時になってようやく少し陽が傾き始めると、ガロンヌ川はこれでもかとせわしなく、かしましく、キラめき始めた。 乱反射、乱反射。 学会のため訪れたフランス・トゥールーズで、僕は時間を持て余していた。教授とのディナーの約束は19時45分。あと45分。う…

ジュンのキャンドル、キャンドルのジュン

今日の僕は何でもできる。 アラームの音もなしで目を覚ました僕は、1秒前まで見ていた夢の余韻をひきずることも無くそう確信した。時計は昼の12時を指そうとしている。しまった、寝すぎた、と思ったけれどうちの時計は20分早いのだったと思い出してまだ…

かげろうと星の夜

星が生き生きと瞬くのは、地球に大気があるからだ。大気に温度のムラがあるからだ。温度のムラで光が揺らぐからだ。 だから、躍動する星たちを眺めるとき、本当に躍動しているのは地球の方だ。地球に住む僕の方だ。 僕が見ているのは、僕だ。 スティーヴン・…

ドロップと桜のマーチ

まだまだまだまだ懲りずに短歌を作っている。 ************************ 太陽と地球と月と絞殺と刺殺とフライドチキンの宇宙 シルヴェスタ―・住宅ローン ベネディクト・缶バッジ ミラ・ジョボジョボビッチ たのしいね!たのしいね!たの、たのしいね!たのし…

木漏れ日がところてん

夏ごろに作った短歌を中心にまとめた。ただそれだけの回です。 ************************ 在り方を問う後頭部に突き刺さるレクイエムのごときYMCA (無常観-無常感)×0.1のような明け方5時の青ねぎ 毒色のサーティーワンを舐めたあと手を繋ぐより繋がれたい昼 …

キューブでありるったかもだろうんだね

まだまだ懲りずに短歌を作っている。 ************************ パチキューン、光を食べる音 またも写ルンですのあまりにも早い死 死ぬことを覚える前に生きることを死ぬほど覚えよ、たまごボーロマン きの音のくうきの音がすききりんすきすきききききききり…

ロジカルロンリーラディカルシンキング

懲りずに短歌を作っている。 ************************ ニュートンの呪縛で月が欠けていき同じ呪いが僕にもかかる 「小骨から俺は世界を変えてやる」 人に忘れられたときにアジフライは死ぬ 垢抜けぬ少女の垢を垢のまま煮詰めたものにわたしはなりたい 不釣…

ありふれる殺人的平等感

最近は思ったことがまとまった思考にならず、短いことばの欠片としてぽこっと現れることが多い。そういうときに出てくることばの欠片は大体5~7文字に収まることが多いので短歌という形式にまとめることで保存するようにしている。 というわけで、今回は最近…

みなさま、グロがお好きなようで

人間生まれた時はなんかガサガサガサガサして、これじゃ暮らせないから。ガサガサって表現はおかしいけどね。曖昧模糊としてるでしょ。子供の頃ってえのは、白鳥がお天道様咥えてくるような絵描くでしょ。ウケようとして描いてんじゃねえんだ、あれ。それじ…

ゴマキ、ハルマキ、いい気分、。

まずはこちらの写真をご覧いただきたい。 大学一年の頃住んでいた家の近くの工事現場で見つけた看板である。はじめは「ああ、工事やってるんだなー」ぐらいにしか思っていなかったが、何度もこの看板の前を通るうちにあることを思った。 「いやこいつ、謝る…

スープと扇風機をすれば、また介入も潮時だけど、それでも僕らぐちゃぐちゃだから、ぐちゃぐちゃなまま愛しましょうね。

クリームソーダって何なんだ。 あれである。あの皆さんご存知の、メロンソーダの上にアイスを乗せたあれである。あいつは何なんだ。どう考えてもネーミングがおかしくないか。「コーラフロート」、「コーヒーフロート」と並んだ次に「クリームソーダ」である…

あっと、さっと、アットホーム

今月末に引っ越す部屋を決めるため、新居の内見に行ってきた。これまでの四年間は大学周辺に住んでいたのだが、土地代が(無駄に)高いエリアだったので家賃の割に環境があまり良くなかった。三年生の夏まで住んでいた家は陽当たりがすこぶる悪く、自分が住…

満たさずに、空洞

先日、表参道で奥山由之の写真展『君の住む街』を見てきた。今回の作品展は雑誌『EYE SCREAM』で組まれていた連載を再構成したものらしく、移ろいゆく東京の街並みを舞台に、今を時めく女優総勢35人の写真が並べられていた。なんでも全てポラロイドカメラで…

香るカオスと午前23時

23日になった。23歳になった。 昨晩考え事をしながらぼーっと風呂に入っていて、気が付いたら23歳になっていた。風呂には時計もないので特に実感もなく一つ歳を取ってしまったわけだが、自分が生まれた日を生まれたままの姿で迎えるというのもまあ悪くないか…

迷えるラム肉たち

インド旅行に行ってきた。友人二人とともに二週間ほど北インドと南インドの数か所を見てまわり、昨日帰ってきた。初日にいきなりお金をぼったくられたり、自分たちで雇ったはずのタクシー運転手から逃げるはめになったり、インド人と列車の席交渉で大混乱に…

ダースベイダーの一族

部屋が汚い。片付けがとても苦手だ。 いま数秒見回しただけでも数十個のペットボトルと空き缶がキッチンに積んであるのと、コンビニのパスタの容器が床に落ちているのが確認できた。冷蔵庫の中で半年近く放置した大根が変わり果てた姿(里芋のようなフォルム…

マクスウェルの悪魔

数日前、一枚の絵のことを思い出した。高校の頃の行きつけのラーメン屋に飾ってあった一枚の油絵。行きつけといってもお金がなくて仕方なく行っていただけで、正直なところ味はさほど美味しくなく(チャーシューがなぜかチョコレートのような味がする)、店…

たとえば兄が死んだら

風邪を引いている。症状自体は大したことないのだが、これが精神的には結構くるものだ。まず、喉の痛みが絶妙に不快で、じわじわと、しかし着実に精神的攻撃を仕掛けてくる。ちょうど耳元で虫の羽音がブンブンするぐらいの不快感を連続的に与えてくるもんだ…

冬の寒さ対策は死んでも教えないぞ

前日に徹夜をぶちかましたせいで今日は15時ぐらいに起きて、起きたら喉が痛くて、なんだかずっとパンクロックが頭で鳴っていて、喉が痛いのに歌って、歌っていたらお腹が空いて、コンビニに行って、たくさん品物が置いてあって、買いたくもないものが欲しい…

ロッカーとザ・フーとマイジェネレーション

一昨日の夜、突然中学時代の同級生にFacebookで友達申請を送りまくった。とにかく送りまくった。当時話したことがある人にはもちろんのこと、中学時代にほとんど言葉を交わしたことのないような人にも、こちらが名前を覚えている限りとにかく友達申請した。…